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論文

J-PARC 3GeVシンクロトロン用荷電変換フォイルの作製状況

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; 山崎 良雄; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.545 - 549, 2019/07

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では大強度陽子ビームを実現するために荷電変換フォイルを用いた荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。RCSで使用している荷電変換フォイルは、少量のホウ素を炭素棒に添加し、これを電極としたアーク蒸着法により作製したフォイル(HBCフォイル: Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)である。このHBCフォイルはビーム照射による損傷に対して強い耐久性を持つことが大きな特徴である。これまでHBCフォイルの作製は、成膜工程(蒸着,アニール,剥離)を高エネルギー加速器研究機構(KEK)つくばで実施し、原子力機構(JAEA)東海でフォイルの調製工程(サイズ調整,フレームマウント,マガジンラックへの装填)を実施する分業体制で行ってきた。2017年より、フォイル蒸着装置をKEKつくばからJAEA東海に移設し、作製工程を統合した。移設後に新しく作製したHBCフォイルの健全性を評価するために、量子科学技術研究開発機構(QST)高崎研TIARAにおいて照射試験及び性能分析を実施し、実機でのビーム照射試験を経て、利用運転での使用を開始した。結果、新しく作成したHBCフォイルのみで1年間の利用運転を達成することができた。

論文

J-PARC RCSビームコミッショニングの進捗報告; 1MW以上のビーム出力の実現に向けた取り組み

發知 英明; 原田 寛之; 林 直樹; 金正 倫計; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 山本 風海; 山本 昌亘; et al.

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.574 - 578, 2019/07

J-PARC RCSは、2018年の7月に、設計出力1MWの試験運転に成功したところである。高出力かつ安定な利用運転を実現するためには、さらに高いビーム強度でのビームの振る舞いを調査することが必要となるため、RCSでは、2018年10月と12月に、1.2MW相当の大強度試験を実施した。当初、1$$%$$程度の有意なビーム損失が出現したが、ベアチューンや横方向ペイント範囲を最適化することで、そのビーム損失を10$$^{-3}$$レベルにまで低減することに成功した。本発表では、上述の大強度試験結果、特に、その際に出現したビーム損失の発生メカニズムやその低減のために行った一連の取り組みに焦点を当てて報告する。

論文

Activation in injection area of J-PARC 3-GeV rapid cycling synchrotron and its countermeasures

山本 風海; 山川 恵美*; 高柳 智弘; 三木 信晴*; 神谷 潤一郎; Saha, P. K.; 吉本 政弘; 柳橋 亨*; 堀野 光喜*; 仲野谷 孝充; et al.

ANS RPSD 2018; 20th Topical Meeting of the Radiation Protection and Shielding Division of ANS (CD-ROM), 9 Pages, 2018/08

J-PARC 3GeVシンクロトロンは1MWのビーム出力を中性子ターゲットおよび主リングシンクロトロンに供給するためにビーム調整を進めている。現在は最大500kWの出力で運転を行っているが、現状最も放射化し線量が高い箇所はリニアックからのビーム軌道をシンクロトロンに合流させる入射部である。この放射化はビーム入射に使用する荷電変換フォイルとビームの相互作用によるものであるが、フォイルを使う限り必ず発生するため、周辺作業者への被ばくを低減するための遮蔽体を設置できる新しい入射システムの検討を行った。フォイル周辺は入射用電磁石からの漏れ磁場で金属内に渦電流が流れ、発熱することがこれまでの経験から判っているため、その対策として金属の遮蔽体を層状に分け、その間に絶縁体を挟む構造を考案した。遮蔽計算の結果から、9mmのステンレスの間に1mmの絶縁体を挟んでも遮蔽性能は5%程度しか低下しないことがわかった。

論文

Evaluation of activated nuclides due to secondary particles produced in stripper foil in J-PARC RCS

吉本 政弘; Saha, P. K.; 加藤 新一; 岡部 晃大; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 9th International Particle Accelerator Conference (IPAC '18) (Internet), p.1048 - 1050, 2018/06

J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS)では1MWの大強度陽子ビームを実現するために、荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。従来のセプタム・バンプ電磁石のみを使ったビーム多重入射方式に比べてセプタム境界面でのビーム損失はほとんど起こらないため、原理的には多重入射する回数に制限は存在しない。しかし、詳細な残留線量測定の結果、荷電変換フォイルの周辺に非常に強い残留線量があることが分かった。PHITSシミュレーションの結果は、この強い放射化の原因が荷電変換方式ビーム多重入射時に、入射ビーム及び周回ビームが荷電変換フォイルに衝突することで起こる核反応による2次粒子によって引き起こされていることを強く示唆していた。このことを明らかにするために、フォイルからの2次粒子計測が重要になってくる。そこで、100度ダンプラインに新たにフォイル導入装置を設置し、2次粒子計測に必要な単純な実験系を構築した。ここでは、2次粒子の直接計測と金属薄膜を用いた放射化法による計測の2種類を計画している。まずは放射化法についてPHITSコードを用いた検討を開始した。銅サンプルにエネルギーの異なる陽子または中性子を照射した際に生成される核種の内、$$gamma$$線放出核種を選択し、陽子もしくは中性子に選択的に反応する標的を探した。その結果、$$^{65}$$Zn及び$$^{56}$$Coが陽子の標的として、$$^{60}$$Coが中性子の要的として使えることが分かった。

論文

Cross section measurement in J-PARC for neutronics of the ADS

明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹

Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '17) (Internet), p.396 - 402, 2018/05

核変換実験施設の要素技術試験の一環として、加速器とターゲットステーションの隔壁となるアルミ合金製の陽子ビーム窓の寿命評価のためにアルミの放射化断面積を測定した。J-PARCの3GeV陽子シンクロトロンのビームダンプにアルミフォイルを設置し、0.4及び3GeV陽子を入射しAl(p,x)$$^7$$Be, Al(p,x)$$^{22}$$Na及びAl(p,x)$$^{24}$$Na反応の断面積を測定した。J-PARCの加速器施設は、陽子ビームの強度モニタが高精度に校正されていること等により、既存の実験データより高い精度で断面積が測定できた。本実験結果と評価済み核データ(JENDL/HE-2007)の比較の結果、JENDL/HE-2007は最大で30$$%$$程度の違いはあるものの、概ね実験結果をよく再現することがわかった。PHITSコードよる計算との比較を行った結果、最新の核内カスケードモデルは、励起関数の形状は実験を再現するものの40$$%$$程度の過小評価を与えることがわかった。PHITSに用いられている統計崩壊モデル(GEM)の代わりにオリジナルのGEMモデルを用いて計算したところ、実験との一致が改善することがわかった。他の核種の反応断面積測定を今後予定しており、これにより核データや核反応モデルの高度化が期待できる。

論文

New scintillation type beam loss monitor to detect spot area beam losses in the J-PARC RCS

吉本 政弘; 原田 寛之; 加藤 新一; 金正 倫計; 岡部 晃大

Proceedings of 6th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2017) (Internet), p.461 - 465, 2018/03

J-PARC RCSでは、1MWの大強度陽子ビーム運転を実現するためにビームロスの抑制と制御に多大なる努力を費やしてきた。我々の主要ビームロスモニタはセル毎の広い範囲でのビームロスを検出することを主眼に置いていたため、ビームロスに関する詳細なメカニズムを調査するには不十分であった。そこで、ビームロススポットを検出しかつ電磁石の中でも使える新式のシンチレーション型ビームロスモニタを導入した。この新式ビームロスモニタは小型シンチレータと光電子増倍管を分離し、光ファイバーで接続する構成になっている。小型シンチレータを真空ダクトに直接接触させているため、ロススポットに対して感度を高めることが可能となった。一方、光電子増倍管を分離して電磁石から遠ざけることができたため、動磁場による増幅率への影響を防ぐことが可能となった。この新式ビームロスモニタの導入により、1MW大強度ビーム運転を安定的に行うことが可能となる。本発表では、この新式ビームロスモニタについて詳細に発表する。

論文

Current status of pulsed spallation neutron source of J-PARC

高田 弘

JAEA-Conf 2017-001, p.51 - 56, 2018/01

大強度陽子加速器施設(J-PARC)のパルス核破砕中性子源は、エネルギー3GeV、繰り返し25Hz、ビーム強度1MWの陽子ビームで生成した中性子ビームを中性子実験装置で利用し、物質科学の多様な先端的研究を推進することを目的としている。2015年には、1MW相当の陽子ビームパルスを初めて入射し、また、利用運転のビーム強度を500kWに上げた。この中性子源の減速材システムは最適化設計により、(1)濃度100%のパラ水素を使用して高いピーク強度かつ幅の狭いパルス中性子ビームをつくる、(2)直径14cm、長さ12cmの円筒形状を採用し、高強度の中性子を50.8$$^{circ}$$の広角度範囲に取り出すことができる、(3)Ag-In-Cd合金による中性子吸収材を使用し、幅が狭く減衰の早いパルス中性子が得られる。これにより、世界最高強度のパルス中性子ビームを供給する性能を有している。現在、1MWで年間に5000時間の運転を行うという目標に向けて、水銀標的容器前部で生じるキャビテーション損傷を、微小気泡を注入して抑制する技術開発を実施中である。また、2015年に500kWのビーム強度で運転中、水銀標的の水冷保護容器が2回不具合を起こしたため、標的容器構造の設計改良に取り組んでいる。

論文

荷電変換薄膜を用いた荷電変換ビーム多重入射に由来する放射化の抑制に向けた取り組みと課題

吉本 政弘; 加藤 新一; 岡部 晃大; 原田 寛之; 金正 倫計

Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.877 - 881, 2017/12

MW級の大強度陽子ビームの利用運転を実現するためには、機器の放射化の抑制が重要な課題となる。J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS)では、入射直線部にコリメータシステムを導入しビーム損失を局所化することでそれ以外の機器の放射化を抑制する思想で設計されている。しかし、コリメータ部の他に荷電変換薄膜の周辺部においてきわめて高い残留線量が観測されている。これまでの詳細な残留線量分布測定とPHITSを用いたシミュレーション結果から、この放射化の原因はビーム入射期間中に入射ビーム及び周回ビームの荷電変換薄膜への衝突による核反応によって生成された2次粒子(陽子及び中性子)であると強く示唆されてきた。入射部機器の放射化抑制を実現するために、周回ビームの薄膜への衝突回数を減らすことで2次粒子の発生を抑制する努力を続けてきた。同時に衝突回数を計測するための新たなビーム損失モニタの開発も行った。本発表では2次粒子検出と薄膜への衝突回数の評価について報告する。合わせて放射化抑制について議論する。

論文

Measurement of aluminum activation cross section and gas production cross section for 0.4 and 3-GeV protons

明午 伸一郎; 西川 雅章; 岩元 大樹; 松田 洋樹

EPJ Web of Conferences, 146, p.11039_1 - 11039_4, 2017/09

BB2016-1181.pdf:0.4MB

 被引用回数:2 パーセンタイル:78.04(Nuclear Science & Technology)

J-PARCセンターで進めている核変換実験施設(TEF)の要素技術試験の一環として、加速器とターゲットステーションの隔壁となるアルミからなる陽子ビーム窓の寿命評価のためにアルミの放射化断面積を測定した。実験では、J-PARCの3GeV陽子シンクロトロン(RCS)から出射するビームを用い、RCSのビームダンプにアルミフォイルを設置し、0.4GeV及び3GeV陽子を入射しAl(p,x)$$^7$$Be-7、Al(p,x)$$^{22}$$Na及びAl(p,x)$$^{24}$$Na反応の断面積を残留核から生成する$$gamma$$線の測定から導出した。さらに物質・生命科学実験施設内に設置されたミュオン生成用の炭素ターゲットから生成するガスを四重極質量分析器で分析し、炭素のガス生成断面積を測定した。J-PARCの加速器施設は、陽子ビームの強度モニタが高精度に校正されていること、陽子ビームがよくコリメートされていること、更に陽子エネルギが高精度に測定できること等により、既存の実験データより高い精度で断面積が測定できることがわかった。また、本測定で得られた結果と評価済み核データ(JENDL/HE-2007)の比較の結果、JENDL/HE-2007は最大で30$$%$$程度の違いはあるものの、概ね実験結果をよく再現することがわかった。さらにTEFの核設計に用いられているPHITSコードよる計算結果との比較を行った。PHITSに最新の核内カスケードモデルによる計算は、概ね実験を再現するものの40$$%$$程度の過小評価を与えることがわかった。本研究や今後の反応断面積測定により核データや核反応モデルの高度化が期待できる。

論文

Relation between signals of the beam loss monitors and residual radiation in the J-PARC RCS

吉本 政弘; 原田 寛之; 金正 倫計; 山本 風海

Proceedings of 5th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2016) (Internet), p.673 - 677, 2017/03

MW級の大強度ビーム運転を実現するためのもっとも重要な課題は、ハンズオンメンテナンスが可能な環境を維持するため装置の放射化を抑制することである。そのためにビーム調整においては、ビームロスを抑制し、放射化が許容できるレベルにビームロスを管理することに主眼を置いて実施している。ビームロスが許容量に収まっている事の確認を目的とし、リング全周の残留サーベイを実施した結果、ビームロスに関する詳細な情報を得ることができた。そこで、ビームロス信号と残留線量との関連付けを行うことで、大強度ビーム運転の実現を評価できる。本発表では残留線量分布測定とビームロスモニタ信号との関連付けについて発表する。

論文

J-PARC RCSリングコリメータ故障によるビーム損失局所化への影響

吉本 政弘; 竹田 修; 原田 寛之; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1097 - 1101, 2016/11

J-PARC 3GeV RCSでは世界最高レベルの1MW大強度ビームを実現するために、ビーム損失を局所化して他機器の放射化を抑制するリングコリメータシステムを設置している。RCSのリングコリメータシステムは散乱体1台と吸収体5台で構成されており、これまでのビーム調整の成果と合わせて、コリメータ部以外に大きな放射化を機器に生じさることなく500kWビーム出力までの利用運転の実績を持つことができた。しかし、2016年4月にリングコリメータの吸収体5で駆動部破損に伴う真空リークが発生し、取り外しての加速器運転を余儀なくされた。そこで、まず粒子トラッキング計算によりコリメータ下流部で新たなビーム損失が発生しても現状での利用運転の強度では許容可能であることを事前に確認した。次にリング全周におけるビーム損失の変化をビーム損失モニタの測定結果から問題ないことを確認して、加速器運転を再開した。今回からRCS全周にわたる残留線量の詳細分布測定を実施し、合わせて短期メンテナンスに伴うビーム停止毎に継続的に測定することで加速器運転状況に伴う線量分布の推移も調査した。この結果からより詳細なビーム損失の構造を把握することができた。本発表では、リングコリメータ吸収体5を取り外したことによるビーム損失局所化への影響を報告する。また詳細な残留線量分布測定の結果からリングコリメータの調整方法に対する課題についても議論する。

論文

The Path to 1 MW; Beam loss control in the J-PARC 3-GeV RCS

發知 英明; 原田 寛之; 加藤 新一; 金正 倫計; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 谷 教夫; 渡辺 泰広; et al.

Proceedings of 57th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity and High-Brightness Hadron Beams (HB 2016) (Internet), p.480 - 485, 2016/08

J-PARC 3-GeV RCSは、2015年1月に1MW相当のビーム加速を達成したところであり、それ以来、ビーム損失の低減を目指した大強度ビーム試験を精力的に展開している。2015年10月のビーム試験では、ペイント入射の最適化により空間電荷由来のビーム損失を最小化させると共に、色収差や加速過程のチューンを制御することでビームの不安定化を抑制することに成功した。また、その後に実施したビーム試験では、新規導入した補正四極電磁石と共に、Anti-correlatedペイント入射を併用することでペイント範囲を2倍に拡幅することに成功し、その結果、入射中の荷電変換フォイル上での散乱現象に起因したビーム損失を大幅低減させることができた。こうした一連のビーム調整により、1MW運転時のビーム損失は、十分に許容範囲内と言えるレベルにまで大幅低減された。本発表では、ビーム増強過程で顕在化したビーム損失の発生機構やその低減に向けた取り組みなど、大強度加速器におけるビーム物理についての話題を中心に、RCSビームコミッショニングの進捗状況を報告する。

論文

Development of the beam loss monitor for beam halo measurement in the J-PARC RCS

吉本 政弘; 原田 寛之; 岡部 晃大; 金正 倫計

Proceedings of 4th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2015) (Internet), p.575 - 579, 2016/01

J-PARC RCSにおいて、ビームのコア部からハロー部までを含めた横方向のプロファイルについて3NBTラインに設置したワイヤー型ビームスクレーパと複数台のビーム損失検出器を用いて測定している。我々のビームハロー測定器の最終目的は、横方向のプロファイルに加えてRCSから取り出された2個のバンチビームに対して時間方向のビームハロー構造を測定することである。そのために応答時間に優れたプラスチックシンチレータと光電子増倍管の組み合わせをビーム損失検出器に採用した。しかしこのビーム損失検出器では、ワイヤーからの放射線だけでなく、他の装置や壁などから放出される放射線まで検出していることが分かった。そのため、我々は鉛ガラスを用いたシンチレーション光型ビーム損失検出器や石英やUVアクリルを用いたチェレンコフ光型ビーム損失検出器の開発を試みた。本発表ではビームハロー測定系の概要と供に、新しいビーム損失検出器の概念や実験結果について発表する。

論文

Measurement of Momentum Spread of the Injection Beam with Longitudinal Tomography Method in the J-PARC RCS

吉本 政弘; 原田 寛之; 發知 英明; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 金正 倫計

Proceedings of 6th International Particle Accelerator Conference (IPAC '15) (Internet), p.944 - 946, 2015/06

J-PARCリニアックのビームエネルギー及びビーム電流のアップグレード完了を受けて、RCSにおける設計ビーム強度1MWのビーム調整を開始した。1MWビーム出力運転を実現するためには、リニアックからの入射ビーム調整が重要な項目の一つである。リニアックビームの縦方向エミッタンスを調整を目的とし、RCSに入射した直後に縦方向トモグラフィー法を用いて入射ビームの運動量広がりを計測した。我々が開発した縦方向トモグラフィー法のツールは、CBP法を用いたシンプルなアルゴリズムが特徴で、元々はRCSビーム蓄積モード用に開発したものである。今回、我々は加速モードでも使えるように改良を行った。リニアックのデバンチャー2のタンクレベルを調整することで、運動量広がりが0.06%から0.15%まで変化することが測定でき、分布形状の変化もシミュレーションとよく一致することが確認できた。

論文

J-PARC用リニアックSDTL部ビーム位置モニターの設計

富澤 哲男; 木代 純逸; 廣木 文雄; 佐藤 進; 五十嵐 前衛*; Lee, S.*; 濁川 和幸*; 外山 毅*

Proceedings of 1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 29th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.165 - 167, 2004/08

J-PARCではビーム診断系のビームモニター製作を進めている。この論文では、SDTL部ビーム位置モニターの現状を記述する。ストリップライン型モニターのインピーダンスは、筐体と電極の形状により調整する。4枚のストリップラインを用いたビーム位置モニターは、すでに中間輸送系(MEBT)で調整を行っている。幾つかのビーム状態におけるビーム位置測定の予備試験の結果も報告する。

論文

J-PARCリニアック用ビームモニター

富澤 哲男; 木代 純逸; 五十嵐 前衛*; Lee, S.*; 廣木 文雄

Proceedings of 28th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.428 - 430, 2003/08

J-PARCリニアックで扱う大強度陽子ビームを安全に加速するためには、ビーム損失をいかに抑えられるかが重要なファクターであり、高品質ビームの発生や正確なビーム輸送とともに、ビーム診断系の役割が大切である。このビーム診断系に用いられるビームモニターには、目的に応じ電流モニター,位相モニター,ビーム位置モニター,プロファイルモニター,ビームサイズモニター,スクリーンモニター及びビーム損失モニターなどがあり、これらのビームモニターの現状における種類,配置及びデータ処理について報告する。

報告書

1MW核破砕中性子源における陽子ビーム窓の構造設計検討

寺奥 拓史*; 寺田 敦彦*; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; 神永 雅紀; 石倉 修一*; 日野 竜太郎

JAERI-Tech 2003-026, 77 Pages, 2003/03

JAERI-Tech-2003-026.pdf:19.78MB

原研とKEKが共同で推進している大強度陽子加速器計画(J-PARK)では、物質・生命科学研究の展開を図るため、1-MWの核破砕中性子源を建設する。陽子ビームは陽子ビーム窓を通過し、中性子源ターゲットに入射する。この陽子ビーム窓は、陽子ビームラインの高真空領域とターゲットやモデレータを格納しているヘリウムベッセル内のほぼ大気圧のヘリウム雰囲気との境界壁となる。陽子ビームとの反応で窓材料は高密度の熱を発生するため、陽子ビーム窓は軽水で冷却される。したがって、過大な熱応力や冷却水沸騰の要因となるホットスポットが発生しないように窓部における均一な流量配分を実現し、冷却水の内圧応力や発熱による熱応力に対する十分な構造強度を満足する必要がある。本報では、製作性に優れた平板型構造及び応力的に有利な曲面型構造の陽子ビーム窓を提案し、設計検討の一環として構造強度評価及び熱流動解析評価を行った。その結果、窓部では均一な冷却水の流動により十分な除熱性能が確保でき、また内部の冷却水圧力による応力及び熱応力を許容応力値以下に抑えることができたため、現設計で陽子ビーム窓として成立することを確認した。

論文

衝撃荷重を受ける液体と構造体の連成挙動

粉川 広行; 石倉 修一*; 二川 正敏; 日野 竜太郎

実験力学, 2(2), p.122 - 127, 2002/06

MWクラスの中性子散乱施設用水銀ターゲットでは、大強度のパルス陽子ビームが水銀に入射することにより、水銀は急激に発熱して水銀中に圧力波が発生する。圧力波がターゲット容器壁(構造体)に到達すると容器壁に大きな負荷を及ぼすとともに、構造体の変形と液体水銀の連成挙動により水銀が膨張してターゲットビーム窓の近くで負圧(引張)が発生することが解析的に示されている。負圧の発生によりキャビテーション気泡が生じ、気泡崩壊の際のマイクロジェットによりターゲットビーム窓は損傷を受ける可能性がある。そこで、衝撃荷重下での構造体と液体の変形による負圧の発生現象を把握するために、円筒容器に水を満たして衝撃実験を行い、衝撃荷重下での構造体と液体の連成挙動を調べた。試験は、円筒容器の底に模擬ビーム窓を設置し、容器上部から直接水に衝撃を与えて水中に圧力波を発生させた。その際、模擬ビーム窓の厚さ及び衝撃速度を変化させて負圧発生の挙動を調べた。その結果、模擬ビーム窓が薄く、衝撃速度が速いほど、模擬ビーム窓の変形の慣性効果が大きくなるために、模擬ビーム窓近傍で負圧が発生しやすいことを明らかにした。並行して、有限要素法による解析を行い、衝撃荷重下での液体と構造体の連成挙動のモデルを検証した。

報告書

核変換実験施設の概念検討,3; 核変換物理実験施設の検討

大井川 宏之; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; 春日井 好己; 辻本 和文; 西原 健司; 佐々 敏信; 今野 力; 甲斐 哲也; 池田 裕二郎

JAERI-Tech 2002-037, 220 Pages, 2002/03

JAERI-Tech-2002-037.pdf:11.09MB

原研-KEK大強度陽子加速器計画の一環として、加速器駆動未臨界システム(ADS)を用いた核変換技術の炉物理に関する研究開発を目的とした「核変換物理実験施設」の概念を検討した。施設は臨界実験施設として建設するが、未臨界状態で10Wまでの陽子ビームを入射できる構造とした。臨界集合体の仕様,陽子ビームを導入するためのレーザー荷電変換装置,施設の安全性,マイナーアクチニドを用いた実験等の項目について検討を行った。

報告書

大強度陽子加速器計画物質・生命科学実験施設内の陽子ビームライントンネル技術課題の検討

坂元 眞一; 明午 伸一郎; 今野 力; 原田 正英; 三宅 康博*; 春日井 好己; 武藤 豪*; 藤森 寛*; 小野 武博; 池田 裕二郎

JAERI-Tech 2001-075, 168 Pages, 2001/12

JAERI-Tech-2001-075.pdf:12.78MB

大強度陽子加速器計画の中で重要な施設である物質・生命科学実験施設に共存するミュオンターゲットと核破砕中性子源の設計では、いかに上流に置かれるミュオン標的で生ずるビームロスによる影響を低減できるかが課題である。本レポートは、1年間かけて検討してきた技術課題の定量評価とその対応の仕方について得られた結果をまとめたものである。

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